ココがポイント
成功への「二段階のプロセス」を理解し、着実に進む。
センセー家業も、大変だネ。
これまで、「引き寄せの法則」というのは、「ポジティブなものの見方」を意識的にではなく無意識的なレベルで作り出すための技術だ、と説明してきました。
そのため、「引き寄せの法則」は無意識の力で自分の能力を高めるための方法だと考えられます。
以上のことから実践するときには、ポジティブな感情を呼び起こして、味わっていくことが大切です。
けれども多くの人が、そもそもポジティブに物事を捉えるというのが、どういうことかすら分からなくなっているものと思います。
そういう状態では、例えばアファメーションをやって、ポジティブな言葉を言ってみても、「そんなことはウソだ」と感じてしまうことになってしまいます。
こういう小さな失敗が、望みを叶えるときのハードルになっています。
おそらく、「実際に、どんなプロセスで願望が実現されるか」を示しておくと、イメージがしやすくなるのではないかと思います。
そのため、ここではその大まかな筋道を説明しておきます。
もちろん「必ずこうなる」という話ではありませんが、実践するときの参考にしてください。
ワクワクするコトを考えろなんてよく言われるけど、「そんなコトなんて、なんかある?」って感じがしちゃうよなー。
物理的に、脳の配線を作り変える必要があるので。
ちなみに、酒とかクスリとかでアゲるのはソッコーで効きますケド、単に脳がぶっ壊れるだけなのでヤメてくだたい。
もくじ
成功への「二段階のプロセス」
すでに書いたとおり、多くの人は、ポジティブな心の態度を忘れてしまっています。
もちろん、ただ望むことをイメージしてよい気分になって、そのまま夢を叶えてハッピーになる人もいます。
けれども、そういう人はおそらく、この文章を読んではいないだろうと思います。
つまり、多くの人にとっては「二段階のプロセス」が必要だということになります。
まず第一に、「心の基本的な態度に、ポジティブさを取り戻す」という段階があります。
これが、言ってみれば、「第一段階」ということになります。
それがクリアされてから、やっと「個別の具体的な願望を攻略する」という「第二段階」に入れるわけです。
すでに書いたとおり、第一段階の人が、すぐに具体的な願望をイメージすると、逆に気分は下がってしまいます。
「そもそもポジティブな状態が、どんな感触だったか」さえ忘れ去ってしまっているのでは、大きな夢を描いても、ただ虚しい気持ちになるだけなのです。
そこで、このネガティブな第一段階をクリアするための方策が必要になってきます。
その具体的な例として、簡単なアファメーションを使った方法を、次で説明していくことにします。
まぁアンタだけじゃなくて、たいがいのヒトは、そんな感じデスがな。
アファメーションのコツ
アファメーションというのは、自分自身に対してするポジティブな宣言のことです。
アファメーションを作ろうと考えた場合、おそらく、最初は「ずっと自分が叶えたかった願望についてのものにしたい」と思うことでしょう。
例えば、「100億円、手に入れたい」だとか、「あの人を自分のパートナーにしたい」といったようなことです。
以前の記事でも書いたとおり、アファメーションは、肯定形、現在形でするものです。
そのため、「100億円を手に入れられて嬉しい」だとか、「この人とパートナーになれて幸せだ」というような言い方になります。
けれども実際には、「アファメーションの内容は、大まかなものの方が効果が高い」と言われています。
これは、自己暗示の大家と言われる医師の考えからも、また、祈りの効果についての実験からも示されていることです。
つまり、具体的に細かく対象を特定したアファメーションは、あまりよくないことになります。
それより、もっとアバウトに「どんどんよくなっている」「好調だ」というような内容の方が優れているわけです。
まだネガティブな心が残っている第一段階の人には、こういう大まかで言いやすいアファメーションが適しているものと思われます。
ボクの望みは完全に具体的で、「いますぐ5000兆円欲しい」なんだけど。
そーゆーヤツって、なー。
アファメーションでつまづく理由
ここまでの議論から、まずは「絶好調だ」「ツイてる」というような簡単なアファメーションを口癖にするところから、始めるのがよいでしょう。
「すてき」でも「すばらしい」「完璧だ」でも構いませんが、あらかじめ決めておいて、できるだけ色々なタイミングで言うようにしてください。
もし何かに失敗したり不運な目にあったりしても、「最悪だ」などと言ってはいけません。
少し皮肉な言い方になってしまうにしても、勉強になったという意味で「すばらしい」と、言うだけでも言っておくべきです。
おそらく本当に初期の段階では、アファメーションした言葉に違和感があることでしょう。
つまり、「好調だなんて言っても、そんなことはウソだ」「空々しい」と感じてしまうということです。
こういう違和感がある理由は、これまで自分の考え方と大きく違っているからです。
では、その「これまでの考え方」というのは、どういうものでしょうか。
言ってみればそれは、「ネガティブなものの見方」のことです。
なんか、逆に、悲しくなりそうだな。
でも、アファメーションの効果は絶大だから、気にするこたぁねぇんだよ、実際。
そーやって、すぐに「ダメじゃん?」って思うコトをこそ変えようとしてんだし。
なぜ人間はネガティブになりやすいか
人間の心は、放っておくとネガティブな態度に陥ってしまいます。
そういう「傾向づけ」が、生まれながらになされているということです。
なぜそうなるかと言えば、成功よりも失敗の方がイメージが強く印象づけられるからです。
実際、例えば一万円を新たにゲットすることよりも、すでに持っている一万円を失うことの方が重大だと、ほとんどの人が考えます。
つまり、一万円を拾ったときのうれしさと落としたときのダメージとでは、落としたときの方が大きいという話です。
けれども、こういう傾向というのは、なぜ生まれたのでしょうか。
一般的に言って、何かを得ようとしてうまくいかない場合には、もう一度チャレンジすればそれで済みます。
しかし、何らかの損をした場合には、その影響が後々にまで続いてしまいます。
だから、得より損の方が、感情の振れ幅が大きいわけです。
まだ農業もしていないような「原始的な社会」を想像してみましょう。
狩りで獲物を捕まえたり、果物を採ったりすることについては、たとえ失敗しても、もう一度挑戦することができます。
けれどもすでに手元にあって、今日や明日の分の食料として当てにしていた分をなくしてしまえば、命にかかわる問題にもなりかねません。
他にも例えば新たに健康を増すことよりも、いまよりも悪い状態、つまり怪我をしたり重い病気になったりすることの方が由々しき事態です。
こういう理由から、人間は長い時間を掛けて「成功よりも失敗を重要視する傾向」を身につけてきたのです。
言い方を換えると、「成功ばかりに目を奪われて、失敗を避けることを忘れがちな種類の人間は、すでに滅びている」ということになります。
結果として、生き残っているのは「成功より失敗を重要視する種類の人間」がほとんどという状態になっているわけです。
ヒトって、タイヘンねぇ。
でも、その傾向がジャマになるコトもあるという話やね。
実際の現実はどうなっているのか
すでに書いたとおり、成功よりも失敗こそが、人間に強いインパクトを与えます。
けれども、現代の日常生活では「致命的な失敗」など、ほとんどありません。
にもかかわらず、これまでどおりの脳のプログラムに従ってしまうと、自然とネガティブな方に偏った心の態度になってしまいます。
つまり、たいした問題ではないのに、失敗や問題ばかりに目を奪われて、ネガティブになってしまいやすいということです。
実際、周囲の状況をより正確に把握する訓練をすると、ポジティブな態度が培われるということが知られています。
つまり、「現実をきちんと知れば、想像ほどひどくない」というのが、ほとんどつねに成り立っているということです。
言ってみれば、現代では恐怖すべきものはほとんど存在していない、ということです。
にもかかわらず、行き場を失った恐怖だけがぐるぐると頭の中で回っているような状況が続いているのです。
ですから、人間は意識してポジティブな方向にものの見方を変えていく必要があるのです。
そのための指標となるのが、「引き寄せの法則」であるということになります。
以上を踏まえて、「引き寄せの法則」実践の際の問題点に、話を戻しましょう。
まずはソレを、少なくともニュートラルな状態に持っていく必要があるってコトになる。
アファメーションをすることの意味
「引き寄せの法則」を実践するとき、まず目的にするのは、ネガティブが自然な状態からポジティブに方へ少しずつでも変えていくということです。
ですから、簡単なアファメーション始めたとしたとしても、スタートの時点で違和感があるのは当然の話です。
しかし、それでもポジティブなアファメーションは「無意識」がきちんと聞いていて、必ず伝わってはいます。
そして、だんだんとポジティブな心の態度が普通のもの、当然のものであることを学習していくわけです。
以上のことから、初めは少しネガティブな感情が伴うこともありますが、そのせいでアファメーションをやめたりはしないでください。
「引き寄せの法則」の本の多くに、「ポジティブな感情とともに、願望を宣言せよ」ということが書かれています。
ただし実際にやってみると、「すぐにはそうなれるものではない」ということが分かります。
しかし、そこで「自分には、この方法は合わない」と思って、やめてしまうのは非常にもったいない話です。
実際は、それほどまでにネガティブな思考に脳が侵されているということで、だからこそやるべき意味があるということなのです。
ので、あんまアセらずに、ゆるゆるヤレばイイよ。
ビジュアライゼーションの方法
ビジュアライゼーションについても、少し書いておきましょう。
ビジュアライゼーションで、一番と言っていいほど分かりやすい方法は、ビジョンボードを作ることです。
まず、コルクボードなどに「自分が手に入れたいもの」の写真を貼っていきます。
そして、それを毎日必ず目にする場所に置いて、見る度に手に入れたときの喜びを味わうということをするわけです。
ところで、人はそれぞれ「どんなところから情報を得るのが得意か」が違っています。
「どんなところ」というのは、視覚や聴覚、そして言葉という風に、入力のチャンネルの違いのことを言っています。
つまり、見て分かりたい人、聞いて分かりたい人、読んで分かりたい人というような違いのことです。
ビジュアライゼーションは、見て分かりたい人、視覚優位の人にとって、効果的な方法と言えます。
そんな感じの方法なのですが、実践するときには、しばしば起こる失敗の例があります。
それは、ビジョンボードが単なる生活の風景になってしまうことです。
つまり、「毎日視界に入りはするけれども、特に何の感情も伴わせないままになってしまう」ということです。
そのため、意図して、感情を呼び起こすための時間を作ってやる必要があります。
あるいは、見るたびにポジティブな感情を目覚めさせてくれるような写真を選ぶ必要があるとも言えます。
カワイイ子の写真を貼っておいても、すぐに「ただ、ソコにあるだけ」になっちゃう。
自分を魅了してくれるモノを、ちゃんと探すのだよ。
望みが叶わない原因
いずれにせよ、ビジョンボードを見るたびに、いつも「その気になる」ということが大切です。
実際には、そんな気分にさせる願望の対象が、なかなか見つからないことも考えられます。
つまり、「色々な写真をビジョンボードに貼ってみたけれど、見るたびに気分が上がるわけでもないし、時間を作ってそんな感情に浸ろうという気にもならない」ということです。
おそらく、これがもっともありがちなパターンなのだと思います。
けれども、これを「失敗」と考える必要はまったくありません。
むしろ「自分の願望だと思っていたはずのものがじつは、それほどのものではなかったということが分かった」という、一つの成功と捉えるべきです。
実際には、そういう風にして自分自身の心が少しずつ分かっていくことに、大きな意味があるのです。
本当は、「まさにこれだ!」と思える願望が見つかったときこそが、夢を実現するためのスタートが切れる瞬間です。
それはつまり、エス(無意識)が同意したということです。
仮に、理想的なパートナーを思い描いて、それに合ったイメージの人の写真を、ビジョンボードに貼ったとしましょう。
けれども、例えばその人が自分にとっては「高嶺の花」だと思えるなら、心には気後れのようなものが生じることになります。
そして、それこそが望みがかなわない原因なのです。
なぜなら、「自分の考え」と「自分の気持ち」との間にズレがあると、無意識が動き出そうとしないからです。
ですから始めのうちは、例えばネットで見つけた「どこの誰とも分からないけれども、ちょっと雰囲気が好きだと感じられる人の写真」くらいにしておくのが無難です。
ただしこれは、「無難な相手にしなさい」という話ではありません。
そうではなく、すぐにネガティブになってしまう段階を抜けるためには、例えば有名人などをイメージしてしまうと難しい場合が多いという話です。
もっと色んなイメージを探って、ピタッと来るものを探せってコトだよ。
しかも、そうやっているうちによりポジティブになって、もっと高いものが望めるようになるってコトよ。
第一段階クリアの兆し
アファメーションにせよ、ビジュアライゼーションにせよ、最初は簡単なものから始めるのが得策です。
簡単だというのは、自分で「これはさすがに無理だ」と思わずに、よい気分になれるようなものという意味です。
そういうものに慣れていくと少しずつ、大きな望みでも自分にふさわしいものだと思えるようになってきます。
まずは、そのための下準備をしていくということです。
これが、すでに説明した「第一段階」というわけです。
第一段階がクリアできる状態になると、いくつかのサインが感じられるようになります。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
一つめは、周囲の人が言っている不平不満、悪口に対して、それがもう自分にはいらないもの、そぐわないものだと感じられることです。
以前は一緒になってネガティブな発言をしていた人と、少し距離を置きたくなるような感覚があるという話です。
もう一つは、色々なものに感謝するということが、自然とできるようになってくるということです。
ちょっとしたことでも、それが用意されていることについて、ありがたく感じられるようになります。
いずれにしても、ネガティブなものとのズレを感じ、ポジティブなものにマッチしているような感覚が、少しずつ生まれくることになるわけです。
何を目指しているのか
実際には、すぐに第二段階に到達できない場合がほとんどでしょう。
けれども、焦る必要はありません。
やっていることは、「どういうものであれば、自分が心から同意できるのか」を探す練習です。
しかも第一段階でやるのは、初心者用の練習です。
それは、「簡単な口癖程度のアファメーションをいくつか試して、どんなものだったら自然と続けられるかを探す」ようなことです。
あるいは、「色んな人の写真から、どういう雰囲気の人が気に入るのかを見つける」というようなことです。
いずれも、「自分がどんな人間なのか」を知るための初歩的な練習になっています。
では、なぜそんなことをするのでしょうか。
それは、自分にピッタリとマッチすると思えるような願望しか、実現しないからです。
自分の中のエス(無意識)が、しっくりきたと思えるようなものでなければ、無意識はそれを実現するために動いてくれません。
理由は、他にもあります。
それは、自分にマッチするものを見つけてそのことを意識してやるのが、自分をポジティブな方に変える方法だからです。
そして、自分がポジティブになれば、大きな夢でもエスが同意してくれるようになるからです。
ただし、そんな風にして「ものの見方」を変えるというのは、ある日の朝にやって夕方にはそうなっているというわけには、もちろん行きません。
逆に言うと、自分のキモチを無視して、頭で考えたコトだけで突っ走れば、めでたく「ザ・ネガティブマン」になれるというコト。
脳の変わりづらさ
脳の状態は、すぐには変わらないのが普通です。
「ものの見方」を変えるというは、つまり脳の中身を変えてしまうということを意味します。
けれども脳の中身が簡単に書き換わってしまうのだとすれば、それは恐ろしいことです。
快活だった人が急に暗くなったら、「一体、どうしたんだろう?」と誰でも思うことでしょう。
単に暗くなったから、そう感じるわけでもありません。
逆に、暗い人が急に明るくなったとしても、周囲は不安になるに違いないからです。
人格には時間が過ぎてもある程度は同じようであること、つまりは連続性があるのが普通です。
そして、基本的に脳はそれを、ある程度一定に保つようにできています。
ですから逆に言えば、連続的に少しずつ変えていくことしかできないのが当たり前の話なのです。
やっていることは、人生を変えるほどのことですから、焦らずに実践してください。
焦りが意味しているのは、「自分は、いつまでたってもダメかもしれない」と思っているということです。
すると、それが引き寄せられて現実になってしまいます。
だから、焦ってはダメなのです。
焦らずに、「自分の気持ちを確かめながら進めば、自ずとうまくいく」と宣言してください。
そのための手段が、「おう、コレコレ!コレだよ!」と思えるものを見つけるってコト。
脳を変える方法
ちょっとした働きかけでも何度も繰り返していけば、強い力が発揮されます。
その点については、何かを覚えようとするときのことをイメージすれば分かりやすいでしょう。
英単語や年号など、ただ何かを記憶しようとするときでも、何度も読んだり書いたりするものです。
一方で、「自分のものの見方」というのは、生活や人生全体をどう見るかということを含んでいます。
つまり、とても重要な情報なわけです。
ですから、それを書き換えるためには、単純な記憶を作る以上に念入りな繰り返しのトレーニングが必要だという風にも考えられます。
ところで、何かの変化を起こそうと取り掛かることには、それ自体に大きな力があります。
なぜなら、それをやること自体が、「脳は変えられる」と信じていることを自分に言い聞かせる行為だからです。
この力を軽んじてはいけません。
まだ終わっていない、途中になっている仕事というのは、それを続ける動機づけを与えてくれます。
ちょっとしたアファメーションでも、言ってみるということには大きな力があるのです。
ただし、「大事だから、とにかく何度も繰り返し、懸命になって言うべき」ということではありません。
「言っていたら楽しい気持ちになるような宣言は、自分にとってどういうものか」を、探しながらやるようにしてください。
完璧なメニューでも実践しづらい理由
どういうアファメーションをして、どんな風にビジュアライゼーションをすればよいのかを、「誰かにコーチして欲しい」と思う人もいるかもしれません。
確かに、毎日やっていけば人生が変えられるような特訓メニューを作ることも、できない話ではありません。
けれども、そういうものが用意されたとしても、かなりの数の人が、それをやろうしないか続けられないだろうと思われます。
つまり、実践しない、実践が続かないという二つの理由があるわけです。
けれども、それはなぜでしょうか。
まず実践しない理由の方ですが、それは、コーチされたとおりにやって実際に人生が変わってしまうことが怖いからです。
たとえ意識的に怖いと思わなくても、無意識のレベルで変化を拒むことが少なくありません。
人間は、現状を維持しようとする強い欲求を持っています。
なぜかと言えば、現状のままだと予期しないことに恐れたり、備えたり、対処したりする労力がかからないからです。
たとえ現状に満足していなくても、それを維持しようとする欲求は、とても強力です。
さて、理想的なメニューを教えられても、実践が続かない理由の方を説明しましょう。
それは、たとえオーダーメイドのメニューを作っても、心は変わっていくからです。
つまり、メニューを作ったときにはマッチした内容でも、すぐに合わなくなることがあるということです。
実際、一般的に言って「何事につけ、継続するのは難しい」ということの理由が、ここにあります。
人間は、エゴ(意識)で正しいと思ったことでも、それをやったり続けたりできるとは限りません。
なぜなら、エス(無意識)が同意しないと、モチベーションが上がらないからです。
「エスがどういうものであるか」というのは、つまり「色んなことに対して、どんな風に気持ちが反応するか」ということです。
そしてそれは、人それぞれに違っています。
それどころか、一人の人の中でも変わっていくものなのです。
心の方は、どう変わるかなんてゼンゼン分からんのだよ。
自分の声を聞いて決める
すでに書いたように、時間とともにエス(無意識)は変わっていきます。
そのため、「引き寄せの法則」の完璧な実践メニューを作るためには、こまめな更新が必要です。
つまり、何度も本人にインタビューをして、「いま、どう感じているのか」を確かめなければならないということです。
そのためには、多くの時間と労力が必要になってきます。
もし人に依頼するとすれば、莫大な費用が掛かるということです。
それならば、自分で自分の心に聞いてやる方が早いでしょう。
自分がどう感じているかは、意識して気をつけるようにすれば、すぐに分かるようになります。
自分の気持ちに耳を傾けながら色々なものを試しているうちに、何となくしっくりくるようなアファメーションやビジュアライゼーションが見つかります。
例えば、「オレはできる!」と雄々しく宣言するのが好きな人もいるでしょう。
あるいは、「わたしってツイてるなぁ」と少し冗談のようにつぶやく方が、性に合っている人もいるかもしれません。
けれどもこれは、どちらが正しいというような話ではありません。
ただ「自分の心がどう答えるか」ということで、つまりは好みの問題です。
簡単な内容でも、いまの自分にマッチしたものをしつこく実践してやれば、ポジティブな方への変化は必ず起きてきます。
ただし、「しつこく実践」と書いたのは、「いちどきに何時間も掛けて」というような意味ではありません。
そうではなく、たとえすぐにやめてしまっても、「三日坊主を百回やるくらいのつもりで実践する」というような意味です。
自分を説得して「気の持ちよう」を変える
三日坊主でも百回すれば、延べで十ヶ月ほどの実践になります。
そのくらいやれば、必ず脳が変わってきます。
実際には、もっと早く変化が感じられることでしょう。
そんなに何度も実践すると思うと、うんざりした気持ちになるかもしれません。
けれども、そもそも何十年も掛けて作ってきた脳の状態を、すぐに変えようと考えることの方がムリというものです。
一年のうち三百六十日不摂生をしながら、三日間だけダイエットをしても結果は見込めません。
過ごしてきた時間の重みは、強力なのです。
けれどもここで言っているのは、「根性で、絶え間なく、必死に実践せよ」というような話ではありません。
気が向くようなタイミングを捉えて、たとえ過去に何度失敗していても、手を変え品を変えてやっていくことに価値があるということです。
例えば、ある日、職場や学校へ出かけて行ったとしましょう。
人と出会うたびに何度も、「最近、好調だね」「あなたツイてるね」と言われたとしましょう。
すると、実際にそんな気がしなくて最初は否定したとしても、そのうち「もしかして、そうなのかも」と思えてくるでしょう。
言ってみれば、「引き寄せの法則」の実践というのは、そういうことを自分で自分自身に対してやってやるだけの話です。
つまりは気の持ちようを、少しずつ変えてやるわけです。
もちろん、ここに書かれた「気の持ちよう」という表現は、ただの言葉にすぎません。
つまり、「気の持ちようが大事だから、そこに気をつけよう」と単に頭で理解してもムダだ、ということです。
大事なのは、実際に気の持ちようが変わっていくという体験であって、そこで得られる感覚なわけです。
だけど、ソレを変えるのはカンタンじゃない、と。
わりと単純な実践の積み重ねで、変わるっちゃー変わるので。
ただ、「そうだよな。気の持ちようだよな」とか自分で確認するだけじゃあ、ゼンゼン変わらないってコトよ。
卑下という思い上がり
アファメーションやビジュアライゼーションをやってはみても、そのうちにやめてしまうということがあるかもしれません。
けれども何度失敗しても、自分のことを「ダメだ」などとは思わないでください。
そう思ったら嫌な気分がするのは、本当は自分では、そのことを認めていないからです。
つまり本心ではまったく、自分のことを「ダメだ」などとは思っていないのです。
もし本当にそう思っているのだとしたら、気分が落ち込んだりはしないからです。
そして、気分が下がるというそのことこそが、エス(無意識)の発している声なのです。
その声に、耳を傾けてください。
失敗したということは、少なくとも試みたということであり、そのことによって必ず前進しています。
だから、その分だけきちんと脳の変化は起き始めているのです。
少し失敗したからといって、すぐにあきめてしまうような発想に、多くの人が侵されてしまっています。
けれどもそれは、スポーツのルールを知ってすぐに試合をして、勝てないからといって「才能がない」と嘆くようなものです。
それは、自分を卑下しているようでありながら、じつは思い上がっているということです。
なぜなら、「ちょっとやってみたら、すぐにうまくできるような自分であって欲しい」と思っているということだからです。
別に、お説教がしたいわけではありません。
ただ、そこにある自分の心の動きを、そのまま見た方がよいだろうという話です。
いわゆる「コトダマ」ってヤツだな。
「引き寄せの法則」を選ぶべきかどうか
特定のスポーツであれば、まったく関わらなくても生きていくことはできます。
だから、投げ出したとしても大きな問題ではありません。
けれども「世界をどう捉えるか」については、自分の人生を決定づける大事なものです。
そして誰も、その問題から逃れられません。
もちろん、「引き寄せの法則」を使うことが、ただ一つの方法ではありません。
また、「引き寄せの法則」の説明で語られていることには、多くのオカルト的なノイズが含まれています。
つまり、「神」や「宇宙」、「波動」というような分かったような分からないような説明のことです。
それでも、重要な情報が含まれていると確信させる部分があると、当サイトでは考えています。
ブームが起こるほど多くの人に何かを感じさせるということに、すでにメッセージが含まれているように思われます。
とは言え、「引き寄せの法則」に関わるべきかどうかの判断をするのは、あなた自身のエス(無意識)です。
つまり、感情とともにイメージしたものが実現するという物語を聞いて、気分は上がるのか下がるのかという話です。
その声に従ってください。
答えはそこにあり、そこにしかないからです。
もし実践を続けられ、ポジティブな感情が少しでも呼び覚まされるようになったら、その後はずっと楽です。
徐々に、具体的な望みにフォーカスを当てて行けるようになることでしょう。
願望実現のための「第二段階のプロセス」
第二段階に入っても、基本的に実践する方法は同じです。
つまり、アファメーションやビジュアライゼーションをするということになります。
もちろん下準備としての瞑想もすると、即効性や効果のアップが見込めることでしょう。
アファメーションやビジュアライゼーションについては、第一段階よりも具体的な内容にしていきます。
また、特定の一つのことだけでなく、生活のあらゆる面について、「こうなりたい」という姿を探ることをします。
人間が求める喜びには、色々なものがあります。
もちろん、お金や仕事、恋愛や結婚については、大事だと思う人は多いことでしょう。
けれども、普段の生活、趣味、地域や社会への貢献についても、成功することができれば、より完璧な状態になると言えるわけです。
これらの面について、できるだけ多く、目標を掲げ、アファメーションやビジュアライゼーションを行うようにします。
なぜ、ただ一つの願望だけにしないかと言えば、そこにもまた「エス(無意識)がどう反応するか」という問題があるからです。
例えば、仕事や人間関係についてはどうでもよいから、ただお金だけを求めることを考えてみます。
「何かを求めれば、そのための犠牲は不可欠だ」とばかりに、お金だけを重視するという状態です。
しかし、こういう状態では、他の面での幸せについても大事にしたいと願うエスが、心からの同意をしてくれないことがほとんどなのです。
全体的にバランスが取れた望みをイメージすることの大切さは、そこに理由があるわけです。
エス(無意識)の同意を取り付ける
「ただとにかく、お金がほしい」と願うことも、別に間違いだということではありません。
とは言え、きっと「人としておかしい」「他にも大事なものはある」と思う人もいることでしょう。
けれども、それはそう思う人の考えであって、そのことを人に押し付けても意味がありません。
ただ、それぞれがそれぞれに自分が感じるところに従って、望むものを望めばよいのです。
とは言え、一つの望みに絞るのはあまりお勧めはしないと、すでに書きました。
なぜ、そうなるかと言えば、「お金がすべてだ」と頭では思っている人も、全面的にその考えに賛成するような心を持っている人は、ごく少数だからです。
「お金が大事」と考えるのは、エゴ(意識)です。
けれども、エス〈無意識)の方では、「他の喜びも味わいたい」という気持ちがあることがほとんどです。
また、本当に心の底から「お金だけがすべてだ」と思っている人は、あらゆるものを犠牲にして、すでに大金を得ているにちがいありません。
このことは、他の願望についても、同じことが言えます。
つまり、「理想のパートナーと一緒にいることだけが大切」とエゴが考えても、エスの方では、「それでも、お金もなくては困る」と感じているものなのです。
結局のところ、色々な望みについて目を配ってやらなければ、エスの同意を取り付けることはできないという話です。
だから、仕事も恋愛も、趣味も地域社会への貢献までも考えて、それらをどうしたいのかを、きちんと考えてやる必要があるということになります。
ただし、一度に広げてしまうと、「面倒だ」とか「よく分からない」という思いが出て、気分が下がることがあります。
ですから、ここでもやはり自分の気持ちの動きを見ながら、実践してやることが大切です。
しゃーない、ねぇ。
喜びに従って歩む
もし何かを明確に望み、そのものが「自分に完全にマッチしている」と確信できたとしましょう。
すると、その思いは自ずと周囲の人間に伝わるものです。
例えば、まさに自分が思い描いたままのパートナーが見つかったとしたら、どうでしょうか。
その相手に対して、まったく何の違和感も気後れもなく「パートナーになって当然だ」ということが分かってしまったら、どうなるでしょうか。
そのことは相手に、どうしても伝わってしまいます。
つまり、「自分のことをずっと探してくれていた人だ」ということが、相手に否が応でも通じてしまうのです。
そのときこそまさに、本当の願みが叶えられることになります。
まったく同じことが、「どうしても欲しいもの」についても、「必ず果たしたい役割」についても言えます。
「あなたが手にするのがふさわしい」「あなたに任せるのが当然だ」と、周りの誰もが思わずにいられなくなるということです。
「引き寄せの法則」を使うということは、そういう願望を探し出すということです。
そして、それをやること、そういう自分の姿を探し出すこと自体が、喜びに満ちた道なのです。
精進せぇよ。
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